「大学時代に県内の心霊スポットに突撃した話 その2」
今から20年前の話。
とある大学でのことである。
講義の合間の食堂で「掃除機で幽霊を吸う」と意気込んだ7人は、組織名を「ゴーストバスターズ」とし、免許を持って活動範囲が広がった喜びを心霊スポットにむけた。
最初の心霊スポット突撃の話はこちら
次の突撃は成功させたい。
みんなそう思っていた。
その頃、僕はナベというチンコがでかくて銭湯で外人に2度見された経験のある男と、頻繁にバスターズのリーダーのマンモーという男の家に入り浸っていた。
このマンモーという男は大学時代に初めての恋をした。
相手は後輩だった。
休み時間に意中の相手と偶然遭遇し、
「先輩!次の授業なんですか~?」
と聞かれ
「・・企業論」
と今世紀最高のスカシを決めた男である。
マンモーの恋も半年後には敗れたが、バイトの夜勤で再会した同級生が人妻のおっぱいを揉んで極人になる姿を見て次第に心の傷も癒え、前髪が禿げ上がった先輩バイトが運ちゃんに胸倉掴まれてガックンガックンする姿に爆笑できるほどになっていた。
そんなマンモーの家に集まり、次のスポットを話し合う。
「車で20分ほどの場所に、廃墟になったラブホテルがある」
情報を仕入れてきたメンバーがいた。
ツァである。
ツァはゼミの後輩を選ぶ面接の際に、圧迫面接で可愛い女の子を泣かし、うどん屋のバイトでは湯を切りすぎては怒られ、最近ではハリソン・フォードを指さし「インディージョーンズのお父さん」と言った男だ。
このツァの意見を採用し、次の突撃スポットがホテル高原に決まった。
今度は場所の確認も万全だった。
事前に僕がバイト先の先輩に聞いたところ、ホテル高原の周りも霊がよく出るらしく、ホテル高原の下に住んでる先輩の友達は、昼寝の最中に婆に足を引っ張られたと言っていた。
これはヤバい場所だ。
7人は昂った。
今回も出発は夜中だった。
目的地は高台にあり、入口の道は狭く、コンクリートに囲まれていた。車一台通れるか通れないかの道を我らの車は進んだ。
車で行けるところまで行き、最後は壁際を少し歩いてホテル高原の前に着いた。
僕はちょいと腹も痛くなるし、壁際を歩いているとき敷地内から複数の気配を感じ、
「完全にヤンキーいますやん。絡まれますやん」
と、帰ろう帰ろう呟いていた。
結果、入口に着いたはいいが、中に入らず帰宅したのだった。
確実に気配はあったが誰もいなかった。
ツァかオケラの携帯電話がおかしくなった。
行きの車内で回していたカメラに白い影が映った。
この3点が今回の収穫だった。
しかし
その後は心霊スポットに行くこともやめ、普通の大学生活を送る。
卒業旅行ではディズニーランドへ行った。
利用しつつも風俗とかキャバクラの女の子を助けてあげたいマンモー
世界基準のチンコで綺麗なお姉さんを射止めたナベ
金属アレルギーなのにパチンコやって腹が悲惨なオケラ
周回遅れなのに奥さんは美人との噂の組長
オールナイトニッポンを聴いたかどうかの話をするのに、夕方の出来事から振り返る話の長いツァ
ちょっとケガすると全てが終わるリアルキモイマン
そして唯一真面目な僕
このメンバーで行われる忘年会の予定をカレンダーで確認していたら、ふと思い出した大学時代の話。