「患者を生きる屍にする手術 ロボトミー手術」

ロボトミー手術

前頭葉を切除することで精神病患者の性格を穏やかにすることを目的として行われる手術である。当時は精神的疾病を外科手術で抑制するということは不可能であった。しかし1936年にワシントンDCで初めて人に対して行われたロボトミー手術が成功し、全世界で同様のロボトミー手術が行われることとなる。てんかん発作、人格変化、無気力、抑制の欠如、など重大な副作用が起こっていたが、後にポルトガルの神経科医のエガス・モニスにノーベル生理学・医学賞が贈られた。

しかし、抗精神病薬の発明と発展で、ロボトミー手術は徐々に少なくなっていく。人体実験に近かった為、最終的には精神医学上のタブーとなってしまった。

日本では1942年に新潟大学で初めて行われ、戦後は統合失調症の患者を対象に施行された。

 

ロボトミー殺人事件

1979年、9月、元スポーツライターのSが自分のロボトミー手術の執刀医の殺害を企み、家に押し入る事件が起きた。Sは医師の母親と妻を拘束し、医師が帰宅しなかったので2人を殺害して金品を奪って逃走した。池袋駅職務質問をされ、銃刀法違反の現行犯で逮捕された。

Sは過去に妹夫婦と親の介護で口論となったことがあった。そのときにSは家具を壊している。駆けつけた警察官に逮捕され、精神鑑定が行われた。精神病質と鑑定され、精神病院に措置入院となった。そこで知り合った女性患者がロボトミー手術で人格を失い、後に自殺したことに激怒する。執刀医に詰め寄ると、危険と判断され、Sもロボトミー手術を強行される。医師はSの母親に大した説明もせずに承諾書にサインをさせていた。 

凶行は「ロボトミー手術の問題点を世間に知らしめる」目的で行われた。

 

 

 

おまけ  

改造ペニスのロボトミー

THE YELLOW MONKEYのメジャー2枚目となるアルバム、「未公開のエクスペリエンスムービー」の第1曲目「Morality Slave」の歌詞である。

ロボトミー 花散る夜をかいで

ロボトミー 支離滅裂と泣いて

ロボトミー 君を機械に変えて

ロボトミー 改造ペニスのロボトミー

 

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