「怖い話を再検証するコーナー第14回(誰と話しているの?)」

このコーナーの常連、S主任のお母さんのお話です。

誰と話しているの?

その日はいつもと変わらない夜でした。隣では遠洋漁業から久しぶりに帰ってきたお父さんが寝ています。お母さんもそろそろ寝ようと考えていました。寝返りをうつと引き戸が少し開いています。お母さんは目を疑いました。開いた隙間に顔が縦に並んでいたのです。助けを求めようとお父さんを見ると、お父さんが急に起き上がり押し入れに入っていったのです。押し入れの中でお父さんは

「ボソボソ・・・。ボソボソ・・・。」

と話しています。

お母さんはパニックになりました。部屋を覗く縦に並んだ顔、押し入れで話すお父さん。

ガタっと押し入れを開けてお父さんが出てきました。そしてそのまま布団に入って寝てしまいました。部屋の入り口を見ると縦に並んだ顔も消えていました。

 

再検証

夢説

お母さんが見た縦に並んだ顔。これは夢だった可能性があります。そうなるとお父さんが押し入れに入ったのも夢だったんじゃないかと。

しかし、次の日にお父さんに聞いたら、押し入れに入った記憶はあるそうです。気付くと押し入れにいたので、布団に戻ったそうです。これで夢説は消えます。お母さんは起きていたのです。こうなると縦に並んだ顔は幽霊だった可能性のほうが大きくなります。

お父さんの行動。これは心霊現象ではなく、お父さんが寝ぼけていただけなんじゃないかと自分も思いました。でも違ったんです。押し入れの中でお父さんが「ボソボソ・・・ボソボソ・・・」と話すのに対して「うん。 うん。 うん。」と相槌を打つ相手の声もお母さんに聞こえていたらしいんです。お父さんは1人で話していたんではなく、誰かと話していたんです。それが聞こえたからお母さんはかなりパニックになったと言っていました。

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