「空からやってくる妖怪 鵺と雷獣は同じ妖怪?しかもUMA?」
鵺
猿の頭に狸の胴、尾は蛇で手足は虎。鵺は合成獣の妖怪である。
有名なのは、源頼政の鵺退治だろう。
平安時代の終わり。毎晩、東三条の森から黒雲が湧き上がり、御殿を覆った。それに帝がひどく怯えたのである。高僧に依頼し、祈祷を行っても効果なし。どうしたものかと考え、かつて源義家が弓を鳴らして怪物を追い払ったことを思い出した者がいた。さっそく源頼政が呼ばれ、怪物退治を命じられる。
頼政は先祖の源頼光から受け継いだ矢を持ち、黒雲が出るのを待った。やがて黒雲が湧き上がり、御殿を覆う。頼政は雲の中に蠢く姿を見つけた。矢をとって雲の中へ射ると、たしかな手ごたえを感じた。落ちてきたそれを見ると、上の写真のような化け物であった。
この鵺が雷獣であるという説がある。
雷獣
雷獣とは、空から雷とともに落ちてくる妖怪である。伝承は江戸時代に数多く記されている。河童に並ぶ有名な妖怪であった。その姿はさまざまで、写真のようなイタチやアライグマのような小型の獣として記述されることが多い。
また、西日本では毛の生えたクモのような雷獣も伝えられている。
同じ雷獣でも、落雷で現れることは共通しているが姿は全然違う。
また、雷獣はUMAとして語られることも多い。
岩手県花巻市の雄山寺には「雷神」と名付けられた奇妙な生き物のミイラがある。手足が異様に長く、猫に比べてもかなり大きい。
ミイラがあるということは、妖怪ではなくUMAなのではないだろうか。
まとめ
姿かたちが違う妖怪が、実は同じものだと言われる所以は、共通点があるからだろう。1つ目の共通点は「空」
鵺は空で不気味に鳴き、雷獣は雷とともに空から落ちてきて木を裂く。
2つ目は「気象状況」
鵺の出現時には黒雲が覆う。黒雲が覆うと雷が鳴ってもおかしくない気象状況なのではないだろうか。ならば雷とともに雷獣が現れるときにも黒雲が発生しているであろう。
3つ目は「合成獣」
西日本で伝えられている雷獣は何種類かの生き物を合わせたような見た目だ。これが鵺の合成獣の見た目との共通点になっているのではないか。
「空」「気象状況」「合成獣」。この3つで鵺と雷獣が同じモノではないかという見解が産まれたのではないだろうか。
個人的には、全然違う妖怪だと思うんですけどね。正直。しかもミイラがあるってことは妖怪じゃないと思いますし、それぞれ全然別々のモノで、同じモノとして語るから謎が深まるんではないかと。空から現れるんであれば妖怪ですし、ミイラがあるならUMAですし。どっちなんすかね。